源九郎は川に住み着いていた狸なのです。
むか〜しむかし、源九郎たぬきは大鵬薬品の公園(東邦レーヨン跡)の
あたりに住んでいました。
このあたりは源九郎池ノ上、源九郎川とよばれ、
源九郎たぬきのすみかでした。
「源九郎」は、化かす才能はあるものの、おっちょこちょいで、
すぐに見破られるタヌキでした。
ある僧との出会いから屋島「ハゲタヌキ」への修行、
そして「義経」の道案内などを行い、その中で争いを嫌い、仲間を愛して、
地域を愛するタヌキへと成長していったとされています。
旧東邦レーヨン徳島工場にあった頃は、
居場所を奪われた源九郎の魂を鎮める為に祠が建てられました。
工場を作るために開拓していたところ、よくないことが度々起こりました。
古老が源九郎狸が棲んでいたところを奪ったので怒っているのだと語った為、
祠を立ててお祀りしたようです。
北島町高房周辺に住んでいた「源九郎」は、化かす才能はあるものの、
おっちょこちょいで、すぐに見破られるタヌキでした。
ある僧との出会いから屋島「ハゲタヌキ」への修行、そして「義経」の道案内などを行い、
その中で争いを嫌い、仲間を愛して、地域を愛するタヌキへと成長していきました。
第1章(幼少期)
北島町高房から応神町吉成にかけての広っぱで、子どもの頃の「源九郎」は仲間たちと暮らしていました。
「源九郎」についての逸話もたくさん残されていますが、その多くは、少々おっちょこちょいで、うまく人をだまそうとしては見破られ、逆に懲らしめられる憎めないタヌキでした。でも化ける能力は天性の素質があったと言われています。
第2章(お坊さんとの出会い)
ある日、お坊さんが通りかかったとき、「源九郎」は驚かせてやろうと大きなヘビに化けたのですが、しっぽが残り、あっけなく見破られてしまいました。その後「もっとうまく化けたいのなら、この袋に入ってみなさい」と言われ袋に入った瞬間に紐でくくられ懲らしめられる始末でした。しかし化ける素質を見抜いていたお坊さんは、香川の屋島に住む化けタヌキの大御所「ハゲタヌキ」への修行をすすめ、「源九郎」もそれに従い屋島まで修行に行きました。
第3章(修行と成長)
屋島で修行を積んだ「源九郎」は、化けることも上手になり、「ハゲタヌキ」からも「もうお前に教えることはない」と言われ、生まれ故郷の北島に帰ってきました。その噂を聞きつけた北島に住むタヌキたち、また北島の「糸引きばばあ」や「桜姫」の妖怪たちまでもが「源九郎」の弟子になりたいと集まってきました。
第4章(おまつとの出会い)
「源九郎」のもとに集まった弟子たちの中に、その後「源九郎」の妻となる「おまつ」もいました。誰よりも熱心に「源九郎」の教えを受けたのですが、あまり人を化かすこともなかったと言われています。
でも本当は“先生”である「源九郎」が“生徒”である「おまつ」と結婚することは、今でいう『禁断の恋』だったのかもしれません。
第5章(義経の道案内)
北島で「おまつ」や弟子たちに囲まれ、平和な日々を過ごしていた「源九郎」のもとへ、家来を連れた「源義経」が突然現れました。平家討伐のために大阪から船で四国へ来て、平家の本陣である屋島へ向かう途中のことでした。難所といわれた大坂峠を越えるために「義経」は修行で屋島に行ったことのある「源九郎」に屋島までの道案内を申し付けたのです。
しかし「おまつ」や仲間たちと仲良く暮らしていましたし、何より屋島の「ハゲタヌキ」は「源九郎」の師匠でもあるので、その道案内を断ろうとしましたが、「義経」は「おまつ」を人質にとり、「源九郎」に無理やり道案内をさせました。
屋島に到着してからは師匠の「ハゲタヌキ」からも“裏切り者”扱いされ、ついには大太刀で斬られそうになり、その時に片目を失ってしまいました。
第6章(平和主義)
命からがら屋島から帰った「源九郎」は“戦争はもうこりごり”と、その後は一切の争い事には参加しなくなりました。阿波でもいくつかのタヌキ合戦がありましたが、「源九郎」が合戦に参加した記録はありません。
その後も時には人を化かすこともしましたが、本当は平和を愛し、仲間を愛し、そして北島を愛する心優しいタヌキが「源九郎」なのです。
- 「おまつ」
- 源九郎の奥さん
- 「糸引きばばあ」
- 北村に伝わる妖怪
- 「白鹿」
- 鯛浜に伝わる伝説(神様のつかい?)
- 「首なし馬」
- 中村に伝わる妖怪
- 「大入道」
- 太郎八須に伝わる妖怪
- 「なげだし」
- 中村に伝わる妖怪
- 「大蛇」
- 江尻に伝わる妖怪
- 「桜姫」
- 新喜来に伝わる伝説の姫
北島町ゆかりの漫画家
竹宮惠子さんにより再建!
旧東邦レーヨン徳島工場敷地内にあった源九郎狸を祀った祠が新しい祠は2016年3月、大鵬薬品工業工場の遊歩道前ガスト北島店の対面・県道松茂吉野線の三ツ合橋西詰め付近)に再建されました。石造りの祠(高さ1.8m奥行き1m)に人間に化けた源九郎狸の石像(50cm)が安置されています。再建は北島町商工会議所のプロジェクトだそうです。
源九郎狸のデザインは北島町出身の漫画家・竹宮惠子さん。
祠の脇には源九郎狸の説明が彫られています。